其の14 案内看板がなければ、市民憩いの公園?
お昼ご飯を食べない作戦とは言っても、お日様は少しずつ西に向かって進んでいきます。どうしても今日の明るいうちに行っておきたい場所があったので、『大御神社』の最寄りの日向インターから東九州自動車道に乗り、南へ。南へ。どんな長さのトンネルが出てくるか分からないので、ここからは写真師がハンドルを。次なるポイントは『西都原古墳』。はい、漢字のテストです。読めますか?答えは『さいとばる』で、さいとばらではありません。沖縄の地名『山原』を『やんばる』と読むのと似ていますね。南方の感じがいたします。
この『西都原古墳』は、日本最大級の古墳群なのですが、恥ずかしながら私は知りませんでした。佐賀県の『吉野ヶ里遺跡』や青森県の『三内丸山遺跡』などは、詳しくは知らなくてもテレビで観たことがあるよというくらいの認識はありました。「古墳好きなんですよね〜」などと人に言い、奈良県や愛知県の古墳に通い、こんもりとした小さな丘があると、「あれ古墳かもしれない…」なんてことをこっそり思っているのに、知らなかったのです。なので、ガイドブックを見て古墳があるのを知りびっくり。でも、月曜日は総合案内施設もお休みだったので、どうしようかな〜。時間があったら、ちらっと寄って行こうかなという感じでした。ところが、旅のプランニング中に、突然ここがクローズアップされる出来事がありました。少し前に習った『神代文字』の中に『ホツマ文字』というのがあります。ある日、そういえば以前、ホツマの文献読んだよなと思い出し、パラパラとめくっておりました。するとその中に、古代の歴史の舞台として『西都原』が登場していたではありませんか。これは『ちらっと』ポイントではありません。腰を据えて回ろうではないかということで、なるべく早めに到着したかったのです。パワースポットでパワーは感じられない私ですが、こういうシンクロ的なことはたまにあります(笑)シンクロと偶然は紙一重。だったらシンクロと思う方が人生楽しいかなと…。
途中で少しお買い物。お供えする場所があればと思いお酒を買いに入ったお店が、雑貨屋さん兼食料品店兼薬局だったので、写真師は葛根湯を購入。日々ハードワークをこなす写真師は、ころばぬ先の杖ならぬ、ひかぬ先の葛根湯を愛用しているのです。そして、麦わら帽子も購入し、なぜか栄養ドリンクをおまけでもらっていました(笑)。準備万端整って、『西都原古墳』に到着。「広い…」としか形容の仕様がない野原とでも申しましょうか。大中小さまざまな丘が点在している野原です。総合案内所がお休みだったので、頼れる資料は『るるぶ』だけ。ここ!と思うところをいくつかピックアップして回ることにしました。一つの古墳から別の古墳に移動するのにも車が役に立つという距離感です。最初に行った古墳の前で、記念撮影。ただ撮ってもつまらないので、埴輪の真似っこをしてみました。なかなかの仕上がりですが、女子捨ててますね(汗)
巡った古墳から二つほどご紹介します。まず『男狭穂塚・女狭穂塚』で、『おさほづか・めさほづか』と読みます。こちらは、ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメの御陵だと伝えられています。ということで、宮内庁管理で立ち入り禁止です。もちろん柵付きで、遥拝する場所もあります。いったいどなたのお墓なのでしょうね。宮内庁管理のところは、なかなか発掘ができないのですが、いつか真相が分かる時が来るのでしょうか?そしてもう一つは『鬼の窟古墳』。こちらは周囲に堀を巡らせた珍しい形態をしています。実際に横穴式石室の中に入って見学することができるので、なかなか見ごたえのある古墳です。コノハナサクヤヒメに求婚した鬼が、一夜で作り上げたという伝説が残っています。この辺り、ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメに関する伝承が多いようです。
他にも古墳の見どころがたくさんあり、『記紀の道』や神社など気になるポイントがありましたが、お日様は西に傾きかけています。それでも南の国の空はまだ青く、古墳群の上には白い雲。なんだか時の止まったような場所。涼しくなって、犬の散歩やウォーキングの人たちの姿が増えてきました。ちょうどポケモンGoが出たばかりだったので、スマホを見ながら歩く子どもや若者の姿も。1500年の昔と今が交差する不思議な感覚。午後5時を過ぎると、警備会社の人が先ほどの『鬼の窟古墳』に鍵を掛けていました。「ふーむ。夜は入れやんのか〜」と思いましたが、もちろん夜入る勇気は毛頭ございません。ずっと居たいような気分でしたが、我々には次のミッションが、温泉に行くという重要なミッションがあるので、古墳群を後にすることにしました。先ほど購入したワンカップはというと、お供えするところがなかったので、こっそり大地に献上させていただきました。それにしても自分でも不思議です。どうして古墳が好きなんでしょうね?お墓なのにね?まあ、人間何代か遡れば、すごい数の人と繋がっているといいますから、広い意味でお墓参りですかね。日本人の先祖の(笑)。さて、二日目もよく歩きました。ポケモンGoではなく温泉Goです!
其の15で温泉&宮崎タウンの夜のくだりとなります。
其の13 南の国のさわやかな神社。
「マロンソフトクリームを食べた道の駅はどこだったのか?」ふと知りたくなり、『るるぶ』の特別付録『道の駅カタログ』で調べてみました。名称をはっきりと覚えていなかったので、二つの道の駅で悩んだのですが、決め手はソフトクリーム。道の駅カタログアイコンの中に、ご当地ソフトクリームの有る無しが入っていたのです。これで決定しました。高千穂を出て休憩したのは、日之影町の『道の駅青雲橋』。高千穂町の隣町。つまりほとんど走らないうちに休憩をとっておりました。しかし、マロンソフトクリームでエネルギーチャージした後は、距離を稼ぐべく海を目指して東へと走り続けました。余談ですが、付録の『道の駅カタログ』は、道中も役に立ちました。『日帰り温泉カタログ』というのも付いていて、これにもまたお世話になりました。『るるぶ』あなどれません(笑)
朝から運転を頑張っていた写真師と交代して、山道をひたすら走ります。トンネルが嫌だったから、ドライバーを募集したのに、気づけばトンネルばかりを走っているような。どこからどこまでを自分が運転したのかという記憶もはっきりしていないのですが、「トンネル〜!」「⚪⚪メートル〜!」などと叫びながら走り抜けた記憶はあります。ともあれ、延岡市を南下し、日向市の『大御神社』に無事到着いたしました。この神社は『おおみ神社』と読み、その名前からも想像できるように天照大御神をお祀りし、日向のお伊勢さまとして知られているそうです。
駐車場に車を停めると、泳ぎに来ているらしい人たちに出会いました。周辺マップを見て、「ここから行くんやな」と二人で歩き出すと、道はどんどん小高い山を登り始めました。道から海水浴客でにぎわう海岸が見えます。「なんか山一周する感じ?」「この上、行き止まりやで」などと言いながら、登ったり下ったりしているとようやく道が開けて、境内らしきところに辿り着きました。ふと横を見ると参拝者のみなさん、山道ではなく整備された普通の道を歩いて来ています。別のルートがあるようです…。境内でまず目に付いたのが『大御神社』に隣接する『鵜戸神社』の案内看板。それに従い歩いて行くと、海岸に出ました。やや急な岩壁の道を降りていくと、赤い鳥居が立つ洞窟があります。ここが『鵜戸神社』で、本殿はなく、小さなお社が建っているだけです。一日目の夕方に訪れた『天安河』に似ていますが、海岸の洞窟だからなのか、昼間だったからなのか、『天安河』に比べると明るいイメージがしました。洞窟の中から海の方を見ると、角度によって白い龍が登っている姿に見えますと、ガイドブックにあったので、写真に撮って見ましたが、なるほど言われてみればそう見えるかなという感じでした。
元の道に戻ると、『大御神社』はすぐそこでした。鳥居の向こうに見えている駐車場は、自分たちが車を停めたところに似ている…いや、そのものでした。なんと車を停めた目の前が神社への入り口だったのです。またしても地図の読めない失敗談。しかも今回は二人セットで(笑)いえいえ。きっと、ぐるっと一周をすることに意味があったに違いない。もしくは時間合わせ的に遠回りする必要があったのだろうなどと、良い方に解釈しておきましょう。ドーンと広い敷地の中に、大海原を背にして本殿が鎮座しています。日向灘の大らかな風景に建つそのお社のイメージは、一言で表現すると「さわやか」。この後も海辺の神社を訪れますが、『さわやか大賞』を贈るとしたらここに決定という感じです。別の言い方をすると、神秘性は少ないかなと。個性ですので、どちらが良い悪いではございません。最初にご説明したように、太陽神、天照大神をお祀りしているのですから、これくらい明るい感じもいいなという気もしました。雰囲気のあるのは、『鵜戸神社』の洞窟の方でしたが。「あ!」今、『るるぶ』を眺めていて気付いたのですが、本殿、幣殿、拝殿が国登録有形文化財らしいです。もっとしっかり見ておけば良かった…。
本殿を参拝してから、海岸の方まで行ってみました。岩場が続く美しい浜の向こうに水平線が広がっています。お昼前まで山山山の風景だったので、なんだか新鮮な感じでした。ここで私がとっても気になったのは『龍神の霊(玉)』という小さな池です。五千年前の縄文の人たちが龍神信仰をしていた古代遺跡とのこと。このエリアでは、「ここが私のツボやな!」などと思いながら、空を眺めると雲が龍神さんの顔のように見えました。雲はそう思って見ると、けっこうそう見えてしまうので、反対にそう思って見ていない人には「へ?どこが。普通の雲やん」ということになるのですが…。まあ、自分が嬉しければそれで良いということで、雲をパシャっと撮って、次なる目的地へ向かうべく駐車場に戻りました。またまた本殿の写真を撮っていなかったので、本殿と海岸の写真は写真師スマホフォトからお借りしました。
其の14では、二日目最後のポイント、日本最大級の古墳群へ。
其の12 『くしふる神社』…くるぶし…足の神社ではありませんよ(笑)
偶然見つけた『瀬織津姫神社』。プランの中になかったこういう神社が、私の中ではポイントが高いのです。ここに行って、あそこに行って…というのは、旅行でいうならツアー的な感じ。たまたま看板を見つけたとか、迷子になって出会った神社というのは、気ままな一人旅、冒険旅行という感じ。前述のスタンプラリーで例えるなら、予定にあったところは『良くできました』、見つけちゃったというところは『たいへん良くできました』の花マル付きとでもいうのでしょうか(笑)『八大龍王水神社』も高千穂に来てから見つけた神社なので小ちゃい花マルかな。
朝から花マルをもらったからといって、ノンビリとはしていられません。宮崎県を南下して『鵜戸神宮』まで辿り着こうという今回の旅。熊本県と大分県に隣接する高千穂は、宮崎県の中でも最北に位置しています。南北に長い宮崎。ちなみに同じく南北に長い三重県と地図で比べてみると、見た目では、同じくらいの長さ。旅行が終わってから距離感調べてどうすんの?という感じですが、やはり結構な距離ですね。ということで、高千穂の残りの神社へ。
昨夜お世話なったファミレス『ジョイフル』の近くに、猿田彦命と天ウズメ命が結婚して住まわれた地といわれる『荒立神社』があります。こちらは、小さな山の入り口にある神社で、神話史跡の遊歩道上には、『高天原遥拝所』や神武天皇の兄弟誕生の地といわれる『四皇子峰』など見所がありそうなところ。しかし先を急ぐ身、神社の方に近道を教わり、次なる目的地の『天真名井』に車をビュンと走らせました。昨日、高千穂峡で見たのは『真名井の滝』こちらは、井戸です。小さな公園の向かいの見過ごしてしまいそうな一角。大きな木の根元に古い石造りの祠が祀られ、お酒などがお供えしてありました。すぐそばにある井戸をお守りしているようです。この辺りの写真を全然撮っていなかったので、写真師のスマホフォトからお借りしました。もちろんここも大判カメラの出番!待つ時間が惜しい私は、歩いて数分の次の場所へと一人向かいました。
そして高千穂最後のポイントに到着。そこそこの高さの階段を上ったところにある『槵觸神社』。ワードで文字が検索できなかったのでネットでひらがな検索してコピペ。今ひとつ使いこなせていないワード。しかしネットコピペとは我ながら良い思いつきと思ったのですが、皆さんやっているんでしょうね。で、この神社名読めますか?『くしふる神社』です。観光マップを見るたびに、私はつい『くるぶし』と思ってしまうのでした(笑)以下高千穂町観光協会ホームページからの抜粋です。
天孫降臨の地として伝えられる槵觸の峯にある槵觸神社です。古事記の一文に「筑紫日向高千穂之久士布流多気に天り坐しき」と書かれており、古くは「槵觸の峯」を御神体としてお祀りしていましたが、元禄7年(1694年)社殿を建立しました。
古事記にある『久士布流』の方が、まだ読めそうな気がするのですが…。こちらもパワースポットらしいですよ。気持ちの良い場所でしたとしかコメントができないうずめですが。
マップを眺めていると、ああ、ここにも神社が、ああ、この名前気になる…とキリがないのですが、すでにもうお昼前。高千穂はここまでにして、ついに南に向けてスタートです。お昼ご飯?いえいえ、そんな時間はありません。と言うより、朝ご飯のバイキングをたっぷりといただいたので、二人ともそれほど空腹を感じていなかったのです。名付けて『朝ご飯で満腹お昼無し作戦』。途中の道の駅でマロンのソフトクリームを食べただけで、夕飯までもたせました。ホテルでもらった人形焼も貴重な食料となったのでした。その道の駅で、写真師は緑と赤でできた御幣を購入。「買うんだったら、ちゃんと飾りなよ!」と、何度も念を押す私。其の⑦でご紹介した『高千穂神社』の七五三縄に付けられていたシデと同じ感じのものです。其の⑦が遥か昔のことのようになっているこのツアー記。でも、大丈夫です。ここからは文明の利器『東九州自動車道』なぞに乗って、ビュビューンと行っちゃいますので(笑)
其の13からは、海岸線の旅スタートです。
其の11 写真師の特技?神社発見目力
普段は朝食をとらないのですが、旅に出ると朝ごはんもやっぱり楽しみの一つ。しかもけっこうしっかり食べる(笑)高千穂の山々が見渡せるカウンター席に陣取り、仕上げのコーヒーも飲んで満足。満足。そういえば宮崎を旅したのに、マンゴーを食べたのはこの時だけ。正確にはマンゴージュースでしたが。受付時にフロントでもらったうずめの人形焼もリュックにしまって、二日目の神社巡りに出発です。女性はうずめ人形焼でしたが、男性は猿田彦人形焼きだったかな?高千穂だと手力雄?とも思うのですが、鼻の大きさからいくと猿田彦?説明書きがついていたと思うのですが、もうひと月近く前のことで、記憶が薄れつつあります。神社ツアー記も記憶のカケラがあるうちに書かねば…忘却との戦いとなってまいりました。
二日目は昨日の続きからのスタートです。夕方駆け込みで行った『天岩戸神社』。『東本宮』と『西本宮』の二つがあると書きましたが、ここで今大きなミスに気づいて冷や汗ものの私です。まことに申し訳ありませんが、其の⑨で綴った『天岩戸』の『東本宮』のくだりの記憶は消し去ってください。一日目の夕方に訪れたのが『西本宮』で、岩戸川の対岸にある天岩戸をご神体としてお祀りしています。御神体をおさめた本殿はなく、拝殿と遥拝所のみがあります。そして二日目の朝に訪れたのが『東本宮』で、天照大神が天岩戸を出てか、最初に鎮座された所になります。
さて、地図の読めない私の大失敗でご迷惑をおかけいたしましたが、気を引き締めて二日目にまいりましょう。『東本宮』も『西本宮』と同じく、センサーでウェルカムミュージックが鳴り始めます。こちらはうずめ像で、タライというよりは味噌桶に乗っかったようなうずめさんが笑みを浮かべて、くるくると舞ってお出迎えです。もちろん真似っこして写真を撮りました(笑)。立派な本殿ですが、社務所はありません。そしてこの社務所のない神社が好きなのです。今回の旅に五十鈴を持参しました。とあるご縁で、奈良の天河神社で鈴舞いをさせていただいていたことがあり、今はめったに振ることもないのですが、九州には持っていこうと思い立ち、スーツケースに忍ばせてきました。チャラリン、チャラリンと音がするので、洋服で囲んでなるべく音を立てないようになどと気遣いながら持ってきた五十鈴。振るなら今でしょ!ということで、本殿の前で五十鈴を掲げてリンリンリン♫別に悪いことをしているわけではないのですが、目撃されたら怪しげかなぁと思ってしまうのです。我ながら気が小さい(汗)
五十鈴を奉納することができた達成感を感じながら、次の目的地の『八大龍王水神社』へ。高千穂に来るまで知らなくて、観光マップからピックアップした神社です。『東本宮』から車で数分の山あいの集落の中にありました。とてもこじんまりとしたお社ですが、駐車場が広く、最近建て替えられたばかりの鳥居もとても立派です。きっと信者の方が多いのでしょうね。余談ですがトイレも立派。男女とも個室がたくさんあり、祭典のある時には賑わうんだろうなという感じですが、ゆったりと貸切で使わせていただきました。この神社には湧き水があり、自由に汲めるのですが、とても美味しいお水でした。ペットボトルに詰めて、その日一日このお水のお世話になりました。そして本殿とそれを取り巻く木々の雰囲気が味わい深く、ええ感じ〜と思っていたら、写真師が車に大判カメラを取りに。本日の大判カメラ撮影タイムのスタート。私は辺りをウロウロして時の流れるのを待っていました。
『八大龍王水神社』の撮影で味をしめたらしく、写真師がこの集落をもうちょっと回ろうと言い出し、あてもなく車を走らせることに。心の中で「ああ〜、時間がもったいないわ〜」と思いながらも、静かに助手席に座っておりました。結局、もう一度シャッターを切りたいと思わせる場所には巡り合いませんでしたが、ぐるぐる走っている時に、写真師が「今、神社の看板があったで」というので、Uターンしてみることに。すると見過ごしてしまいそうな『瀬織津姫神社』の小さな案内看板を発見。こちら通ってよろしいでしょうか?というような民家の隣の細い道を下りていくと川の音が聞こえます。本当に神社があるのかな?と思ってしまう薄暗い崖道をトコトコトコと下っていくと、小さな小さな祠が一つ。ちょっと寂しげな場所ではありましたが、リュックの中に五十鈴を入れたままだったので、こちらでもヤブ蚊の攻撃を受けながら、振らせていただきました。「大判カメラ持ってきたらよかったなあ」と写真師がいうほどですから、なんとなく雰囲気のある神社だったことは確かです(笑)それにしても小さな看板を見逃さなかった写真師。さすがカメラマンの目力だと今回は褒めておきましょう(笑)
其の12で、高千穂は終わる予定です…たぶん。
其の10 夜神楽のリズムで夜も更けて。
黄泉の世界を彷彿させる黄昏の『天安河』の写真を撮り終えて、神社の駐車場まで戻り、鳥居の横に建つ女神像と並んで記念撮影。うずめさんの像にしては、おすまし顏の美人さんだと思ったら天照大神でした。時刻は6時半。『高千穂神社』の夜神楽は7時から受付開始です。「神楽殿は7時から開いていますから、早く来たら前の方に座って見られますよ」と、昼間の受付のおばさまから聞いていたのですが、8時までに入ればいいだろうということで、温泉で心も体もさっぱりと禊をして、『高千穂神社』に向かうことにしました。
この日の温泉は『天の岩戸温泉』。駐車場から5分くらいで行けそうです。観光パンフレットによると、入湯料は350円。銭湯並、いえ銭湯より安い感じさえします。どんなところ?というドキドキ感もありましたが、こじんまりとはしていますが、建物も設備も新しく、ゆったりと温泉タイムを楽しむことができました。他のお客さんたちは、マイお風呂セットを持参だったので、常連の地元の方々なのでしょうね。露天風呂もないシンプルな作りでしたが、なぜか建物が六角形のいい感じの温泉でした。さて、心も?体も清めて、いよいよ夜のメインイベントの夜神楽へと参りましょう。
十分くらい前に『高千穂神社』の駐車場の着き、昼間に受付のおばさまが教えてくれたセンサーライト付きの新築トイレに立ち寄り、神楽殿を目指します。宿でもらったLEDライトは部屋に忘れてきてしまいました。夜神楽のチケットとLEDライト付きという宿泊プランだったのですが、駐車場も坂道も明るいので、必要はありませんでした。持っていても使わなかっただろうなという感じです。さて、5分前に到着すると、神楽殿はすでに三分の二以上人で埋まっていました。受付のおばさま、「せっかく教えていただいたのにのんびりと来てしまいすみません」と、心の中で断りを入れつつ、後ろの方に座りました。50人以上いたでしょうか。揃いの浴衣を着ているグループも何組かあり、座布団も持参だったり。きっと宿が貸し出しをしているんでしょうね。
ともするうちに、白装束の男性が二人登場し、舞が始まりました。神職らしい衣装でしたから、まだ本番ではないようです。前座というと失礼かもしれませんが、夜神楽が始まる前の奉納の舞なのでしょうか。単調なリズムで繰り返される太鼓の音に合わせて、十数分ほど舞が続きました。神主さんのご挨拶の後、いよいよ夜神楽の始まりです。岩戸神楽ともいわれ、重要無形民俗文化財に指定されており、本来は11月から翌2月にかけて、各村々で33番の夜神楽を実施し、豊作への感謝と豊穣を祈願するものです。33番の中から4番の舞をこの神楽殿で毎晩観ることができます。手力雄が天岩戸を探し出し、天うずめが岩戸の前で舞い、手力雄が岩戸を取り除きくという場面そして、イザナギ・イザナミの二神が仲睦まじく舞う場面があります。二神の愛のやりとりがなかなかキワドイのですが、記紀の上ではなんとなく喧嘩別れっぽくなってしまっているイザナギとイザナミがラブラブな感じなのは良いな〜と思ったりしました(笑)単調なリズムと踊りの繰り返しですが、小一時間、飽きることなく鑑賞させていただきました。お能だとすぐ眠くなるのですが…(汗)席が後ろの方だったこともあり、あまり写真は撮っていないので、写真師のスマホ取りよりうずめの舞のワンカットを拝借しました。
夜神を鑑賞し、車で商店街あたりを回ってみたのですが、9時過ぎに入れそうなお店も見つからず、行った先は予言通りの『ジョイフル』。私は昼に続き麺類で、チャンポンを注文。二人合わせても千円というリーズナブルな晩御飯でした。ホテル一階のコンビニでビールとつまみを少々買って部屋に戻りました。結局缶ビールを一本飲んだだけ。それもほとんど私が飲みました。写真師は前日までの疲れが出たのか、少し飲んでバタンキュー。今日は居酒屋さんが開いていなくて良かったのかもしれませんね。其の10にしてやっと旅の1日目が終了。
其の11もまだまだ続く高千穂神社巡り。なかなか南下できません〜。
其の⑨『夕暮れ時は怪しそう〜♫』なパワースポット
午後8時から、『高千穂神社』で夜神楽を見る予定なので、それを念頭において今後の動きを考えなくてはなりません。予約しているホテルが『高千穂峡』の近くだったので、ひとまずチェックイン。じゃらんネットで検索し、検討に検討を重ねた末に選んだのは『ホテル グレイトフル高千穂』。本当に、自分でも呆れるくらい真剣に宿選びをします。価格、サービス、場所。それぞれの宿の長短を頭に叩き込んで、何度クリックを繰り返すことか。乗り物を考える時も同じようにクリックを繰り返し、電卓を叩き、あ〜疲れた〜と思うのですが、そのシミュレーションを行っている時から、もう旅は始まっているのかもしれません。
フロントで朝食券と夜神楽のチケット、『高千穂神社』に行く時のためのLEDライトなどを受け取り部屋に。荷物を置き、お風呂セットを取り出すと休むことなく次の目的地に。今回は二泊とも温泉宿ではないので、町の温泉に入ることが一つのお楽しみだったのです。夕飯は夜神楽が終わってから、ホテル近所の居酒屋さんで一杯やりながら、地元の美味しいものなんかつまんで、いい気分で宿に帰って寝るという計画。ホテルの紹介の中に、徒歩圏内に居酒屋など外食できるところが多いので、素泊まりプランも楽しめますよという案内があったことも、この宿に決めた理由でした。ところがフロントでお店についてたずねると、なんとまぁ、近所のほとんどの居酒屋さんが日曜日でお休みらしいのです。この日曜日問題はうっかりしておりました。
気をとり直し、まだ日の光があるので、車で十数分のところにある『天岩戸神社』まで行ってみることにしました。夏の旅行のメリットは、夕方遅くまで見て回れるところですね。行けるところまで行こうではないかと、車を走らせると宿から二、三分のところにファミリーレストラン『ジョイフル』発見。「まぁ、晩御飯は最悪ここもあるしな」「でも、せっかくやで、居酒屋とか食堂がええな」。そんな会話を交わしながら、高千穂の町を走りました。夜神楽のモチーフが描かれた『高千穂トンネル』を抜けると、郊外の風景が広がります。山々の頂が雲に隠れた神話の世界をイメージさせる景色に、車を停めてシャッターを切りました。
ともするうちに『天岩戸神社』の看板と駐車場が現れました。午後5時を回り、他に参拝者はいないようです。『天岩戸神社』には、岩戸川を挟んで『東本宮』と『西本宮』の二つのお社があります。ちなみに到着したのは『東本宮』で、こちらは、天照大神が『西本宮』に祀られている天岩戸から出て、最初に鎮座された場所といわれています。伊勢においでになるまでに、いろんなところに引っ越しされたのでしょうね。駐車場に入ると、センサーで音楽が鳴り『手力雄』の像が動き出します。ウェルカムの合図なのでしょうか。なかなかサービス精神旺盛な神社です。人気の無い境内を歩いて参拝。本殿は向こう岸の『西本宮』境内にあるので、遥拝所のみの神社です。さほど広くないのでスルリと通り抜け、出口に案内看板が立っている『天安河』へと歩みを進めます。
ガイドブック等の写真で見ると、とても神秘的というか怪しげな雰囲気が漂うところの様です。写真師も紹介写真を見て、「これは大判やな!」と、大きなカメラを取り出して歩き出しました。途中に土産物店やカフェが二つ三つ。もちろんもう閉まっていました。そのカフェのソフトクリームのポスターを見て、値段に驚愕。地元産の美味しいはちみつを使ったソフトクリームらしいのですが、600円!食べてみたいような…でも、マンゴーソフトが400円やし…などと、もともと営業時間外で食べられないソフトクリームのことをアレコレ妄想しながら、『天安河』のある川原まで降りて行きました。
川原の薄暗い小道を下り、『太鼓橋』を渡るとやがて開けた場所に出ます。その先に洞窟があり、鳥居の奥にお社が祀られています。ここは天岩開きのために、八百万の神々が話し合いをされた場所とのこと。『仰墓ヶ窟』と呼ばれる洞窟には、人々が願いを込めて詰んだ石が並んでいるのでおり、ちょっと不気味とも思える雰囲気です。恐山などをイメージさせる光景です。日暮れ時に行ったので余計にそう感じたのかもしれませんが、『天安河』というよりは『賽の河原』を連想してしまいました。私的には石積みがないほうがいいなと思いました。
写真師は撮る気満々です。大判カメラでしかも被写体が暗いので、露光時間がとてつもなく長いのです。こうなったらもう待つしかありません。「わたし、ま〜つわ〜♫」とは歌わずに、自作のうずめの歌を思う存分歌いながら待っていました。もちろんワンカットでは済みませんので、かれこれ20〜30分、待たせていただきました。その撮影の間に、誰一人参拝に来ませんでした。もう6時も回って暗くなってきたし、さすがにここまで来ないのかなと思ったのですが、カメラを片付け始めたとたんに、カップルが現れました。そして帰り道に二組、三組とすれ違ったので、本当に不思議なエポック時間でした。結界でも張るパワーがあるのか写真師!と思ってしまいます(笑)それにしてもすれ違ったのは若いカップルばかり。薄暗い道をドキドキしながら手でもつないでいくのでしょうかなどと想像しつつ…あ、こちらもカップルでしたね。若くはないけど(笑)ちなみに、帰ってパンフレットを見ていたら『太鼓橋』付近は、顕著なパワースポットとありました。やっぱりパワースポットセンサーは備わっていないのか?うずめ!さて、1日目の神社巡りはこれにて終了です。しかし、高千穂の夜イベントはまだまだ続くのであります。
其の10で、旅の1日目やっと終了の予定です。
其の⑧幻と消えたボート遊び
『高千穂神社』から車で数分、迷うことなく『高千穂峡』の駐車場にイン。時刻は午後3時半。貸しボートの受付時間が4時半なので、余裕で間に合います。今回『高千穂峡』を訪れるにあたっての一番の楽しみは、実は清流『五ヶ瀬川』でこの貸しボートに乗ること。価格も一隻2,000円。3名まで乗れるので、お一人様あたり1,000円。30分間の優雅なボートデートが、たった1,000円ということで、プランニングの段階からのビッグイベントの一つ。二人でボートなんて乗ったことあったっけなぁ?子どもと三人でアヒルのガーガーボートを漕いだ記憶はあるけど…なんて、ルンルン乙女気分で車を降りました。
ところが無情にも飛び込んできたのが「本日は増水のため、貸しボートは中止です」という立て看板。「なんじゃこりゃ〜!」です。天気は上場、橋から川を眺めてみると、ゆったりと流れているように見える『五ヶ瀬川』。「なんで乗れやんの〜!これやったら乗れるやん〜!」と心の中で叫んだのですが、素人目にはわからないけど、危ないんでしょうね。これくらいの波泳げるじゃん!と荒れた海に飛び込んで迷惑をかける困った人状態になりそうな自分を制し、川からではなく、丘から景勝『高千穂峡』を楽しむことにしました。
『フルムーンカップルの青い春気分カムバック作戦』は失敗と終わったので、川に沿って散策ルートを歩きます。『高千穂峡』は、大昔の阿蘇の火山活動で噴火した火砕流の侵食でできた柱状節理の渓谷で、国の名勝・天然記念物に指定されているそうです。『柱状節理』というのは、岩肌の形状で、三重県だと熊野市と尾鷲市の境の海岸にある『盾ヶ崎』が有名です。興味がある方は、お調べください。途中『玉垂の滝』など眺めながら、『真名井の滝』を望むポイントに到着。川に向かって滝が勢いよく流れています。ああ、本当ならこの滝を間近で見上げられたんやんな〜などと、まだ未練がましく思いながら、二人で競うように滝の撮影。滝を撮る写真師のスマホ画面に滝が写っているものをコメント欄フォトギャラリーでアップしますので、クリックして観てみてくださいね。
本編に掲載の写真は、もう少し先の橋の上から撮影したものです。
『真名井の滝』鑑賞いたしました。きれいでした。ああ、でもエネルギー的なものとか、多分わからないんでしょうね。まぁ、ここもスタンプを押してもらったということで。我ながら、何もわからずに、よくまぁいろんなところに行っているものだと思ったりもするのですが(笑)
橋の上から滝を観て折り返した時に気づいた小さな祠。やっぱりこっちの方にそそられるので、そちらにご挨拶。写真も撮らなかったので、どんな神様だったか忘れてしまいました。祠の前の売店にはためくソフトクリームの旗が目に止まり、しばしクールダウン休憩をして、駐車場へと折り返しました。帰りのルート上に、『高千穂三段橋』が見えるポイントがあります。駐車場から歩く時に渡った古い石橋の『神橋』その上に架かる『高千穂大橋』そして、道の駅のそばにあった300mの長さの『神都高千穂大橋』。この三つのアーチ橋が一度に見渡せるなかなか面白いスポットでした。ボートは乗れなかったものの、美しい風景を堪能した『高千穂峡』。時刻は4時半。そろそろ宿チェックインするといたしましょう。しかし一日目の旅はまだまだ続くのであります。
其の⑨では、ちょっと不思議な雰囲気が漂うスポットをご紹介します。其の⑦神楽殿で七五三縄のお勉強
いろんな神社を巡ったので、覚えている光景がどの神社のものだったかこんがらがっていたりします。記憶から抜け落ちた部分を思い出せるように、写真は撮っているものの抜け落ちている場面も多々あります。今回は写真師も撮影してくれているので、その写真を見ながら「あ〜そうやった。あそこにあんなものもあったな」などと途切れた記憶がつながることもあり、助かっています。
私の記憶力の問題もありますが、神社の作りや周辺の感じって似ているんですよね。一番目に参拝した『弊立神宮』も国道沿いにポン!という感じで現れましたが、『高千穂神社』も道の駅から信号を一つ越えた道路沿いにポン!と現れました。どちらも神社が鎮座しているところは、ちょっとした山というか杜ではあるのですが、街中の駐車場から一、二分、階段や坂道を登れば御神殿です。よくよく考えてみれば、伊勢の内宮外宮をはじめ、街中に神社があるのはごくごく普通の光景。伊勢神宮の御正殿などは、階段さえ登りません(笑)なのになぜか、九州の神社、特に『弊立神宮』と『高千穂神社』は山の奥深くに鎮座しているイメージがあったのです。また出たぞ。思い込みシリーズ!といったところですね。『高千穂神社』は、『高千穂神楽』が行われることで知られています。神楽については、夜の部でご紹介しますね。
神社に行くと、正殿よりもその周辺の方が気になってしまうので、周囲をぐるり。神社を取り囲む散策路を歩いて正殿横に建つ神楽殿へ。中をのぞき込んでいると受付のおばさまが、入ってもいいですよと言ってくださったので、見学させていただくことにしました。正面の舞台には、天岩戸をイメージしたセットが組まれています。特徴的なのはしめ縄と一緒に吊るされている切り紙。鳥居、動物、文字などのモチーフが美しく切り取られた白い紙が連なっています。中国など大陸的な感じを受けました。おばさまが、しめ縄についての説明をしてくださいました。「しめ縄は、ふさが左から3本、5本、7本ぶらさがっているので、『七五三縄』と書くんですよ。子どものお祝いも七、五、三ですよね。ほら、ネットで『しめなわ』って入れたら『七五三縄』と出てきますよ」とのこと。スマホで調べるのを待っている様だったので、写真師が調べて「そうですね。出てきますね」と言ったら、とても満足気にうなずいていらっしゃしました。神楽殿を出るまでに三回ほどその話を繰り返してみえたので、さすがの私も覚えました(笑)もう一つ面白いなと思ったのは、しめ縄に付けるシデと呼ばれる紙が、普通は白なのですがここは赤緑白とカラフルでした。
神楽殿の前の小さな空き地に立つ杉の木に、水神さまが祀られていました。そこだけエアポケット状態。参拝者もあまり立ち寄る気配はありません。古い石に小さな丸石が置かれ、ワンカップのような容器でお供えされた水、そして無造作に散らばる小銭。こういうスポットにテンションが上がるので、写真をパシャパシャ。御正殿の写真はかろうじて一枚押さえただけなのに。写真師も同じような反応で、テンション上がって撮っていました。お参り用に持ってきていたお水をかけたので、目玉おやじみたいになってしまいました。ちなみに隣に並ぶ石は、男性エネルギーを象徴しているようです。神社によくあるパターンの一つですね(笑)
『高千穂神社』には、夜もう一度訪れることになるので、次の目的地の『高千穂峡』に向かいます。1㎞くらいなので、町の散策を楽しみながら歩いて行くという選択もありましたが、時短のために借りたニコニコレンタカーがあるので、迷うことなく車で行きました。さあ、数霊の先生オススメの『真名井の滝』がある『高千穂峡』。いったいどんなところなのでしょうか。
其の⑧では、夏にぴったりの水辺のスポットをご紹介します。
其の⑤高千穂のお出迎えは『うずめ』の大顔面
馬見原町から山間の道をずんずん走り、高千穂町を目指します。神社の案内看板など見つけると気にはなるものの、目に付く神社に全部立ち寄っていたら大変なことに(笑)日本の神社はコンビニの数より多いそうですので。「お〜!今、宮崎県に入ったで!」と、県境越えのテンションアップを楽しみにしていたのですが、見過ごしたのか?『Miyazaki Prefecture』の文字を見つけられないまま、気づけばすでに高千穂町。正確には宮崎県西臼杵郡高千穂町。高い山々に囲まれた神話の町に辿り着いておりました。
『国見ヶ丘』『天岩戸神社』などなど、ワクワクする案内看板が登場。まさに神話の町です。しかしまずはお昼ご飯。ドライバーのエネルギーが満たされないと、車のガソリンは満タンでもこれ以上進めないようなので。『五ヶ瀬川』という町を流れる大きな川にかかる『神都高千穂大橋』のたもとにある道の駅『高千穂』でお昼休憩をすることに。日曜日ということもあり、遅めの時間にもかかわらずお昼ご飯を食べている人たちがけっこういました。私はうどんを食べ、写真師が何を食べたのかは、もはや記憶に残っていません。特に名物っぽいメニューはなかったような気がします。ただ、写真師がコロッケ単品を頼んだのを一つ分けてもらいましたが、それは美味しかった記憶はあります。食べることは好きだし、旅の楽しみの一つではあるものの、神社ほどの思い入れはないようです(笑)
食後に売店で書籍をパラパラ。高千穂町だけの神社の本。宮崎県内の神社の本。レイラインやパワースポットを絡めた神社の本など、気になる本が並んでいます。数分間その本棚の前で、これかあれかと迷った末に宮崎県内を網羅している本を購入。小エリアを深く取り扱っている本と広いエリアを浅く取り扱っている本で悩んだのですが、結局広く浅くという方を選んでしまったのでした。ああ、なんだか自分の生き方にリンクしている気がします。隣接する観光案内所で、ガイドマップなどをゲットして、高千穂巡りの準備は万端。それにしてもそそられる神社やスポットがたくさん。小さな町にギューっと詰まっている感じです。
写真師から先ほど渡ってきた橋を歩いてみようと提案があったので、車はそのままに橋に向かいました。平成15年に竣工したこの『神都高千穂大橋』は、長さ300メートルで、川面からの高さが100メートル以上あります。車で通った時には気づきませんでしたが、歩いて下の覗き込んでみると、その高さにびっくり。橋から見下ろせる高千穂峡の景色を楽しむために、立ち寄る人も多いそうです。この橋については、他にも書きたいことがあるのですが、それは後ほど『高千穂峡』の巻でご紹介いたします。
橋を端まで渡って戻るのは大変なので、真ん中ほどまで歩いて駐車場に戻りました。そしてここで記念撮影。「せっかくやで、『うずめ』さんの像の横で写真撮って〜」と美しく舞う像の横で、真似っこポース。しかしここにはさらにインパクトのある『うずめ』像が!さすが高千穂町の道の駅、置かれているオブジェも半端なく、大きな『手力雄』と『うずめ』のお顔がドド〜ン!『うずめ』は、天照大神が天岩戸にお隠れの際に岩戸の前で面白おかしく踊った神様で、踊って笑っている外の様子が気になった天照大神がちょいと岩戸を開けてのぞいた瞬間、岩戸をバーンと開いて遠くに放り投げたのが『手力雄』です。『うずめ』さんの表情を真似して記念撮影。その写真は世間様にお見せできるものではないので、人物なしで(汗)ついでに『手力雄』さんに食べられそうな写真師のショットも。さて、いつまでも遊んでいるわけにはまいりません。目と鼻の先ほどの距離にある次なる『高千穂神社』へ向かいましょう。
其の⑥は、初日のもう一つのメイン神社『高千穂神社』です。
其の⑤『めめめ』の神社と夫婦岩
駐車場に戻り「この駐車場から車で3分です」という『弊立神宮 離れ門前町 馬見原ご利益めぐりマップ』の看板を眺める二人。車で3分というキャッチにお得感を感じたのと、『夫婦岩』が表記されていたので、寄ってみることにしました。先ほど『通潤橋』を見逃してしまったこともあり、ここで一つ観光気分を盛り上げるといたしましょう。ちょっと迷ったので、結局10分くらいかかりましたが、商店街を抜けて『夫婦岩』あるという『馬見原橋』に到着。駐車場の向かいに『スナックV』という看板を発見した写真師は、その営業しているのだか否かという店の外観を嬉々として撮影していました。そういったなんとなく怪しげな雰囲気を醸し出しているものが好きなようです。
スナックの話はさておき、この『馬見原橋』は自動車用道路の下にアーチ型の歩道が設置されているのです。横から見たら直線の下に半円があるという形です。そして中央部の川との距離が近くなる辺りが透明になっていて、足元を流れる川が眺められて面白かったです。澄んだ水の中で川遊びを楽しんでいる家族連れを見て「泳ぎたいな〜。水着持ってきたら良かったな〜」と、写真師は残念そう。ここで水遊びなんかされた時には、今日どこまで辿り着けることやら…水着を持ってこなくて良かったと私が思ったのは、言うまでもありません。
さて、お目当ての『夫婦岩』は、橋を渡りきったところにありました。道の両側の大小の岩にしめ縄が張ってあります。そのしめ縄の下を普通に自動車が通る場所です。夫婦岩と言われてみれば、夫婦岩かな?という感じですが、三重県の二見浦に鎮座する『二見興玉神社の夫婦岩』を知っている私たちにとっては、少々物足りない感。『二見興玉神社』で挙式を上げ、波荒れる二見浦をバックに記念写真を撮ったご縁もあり、他所の『夫婦岩』なるものをチエックしておこうではないかという思いもあったのでしょうか?ともあれ、ビジュアル的には、『二見浦の夫婦岩』に軍配が上がった感じでした。それにしても相性占い的には凶の二人がなんとか切れずに続いているのは、『二見興玉神社』のご利益でしょうか(笑)
『夫婦岩』の横に『生目神社』の案内を見つけたので、そこも寄ってみることに。川沿いを少し登ったところにある小さな古い祠のようなお社の中に入ると、『めめめめめ』の文字。白い布や紙に『め』をたくさん書き、「目が良くなりますように」「目が出ますように」などと書き添えられたものが大量に吊るされています。一度にこんなたくさんの『め』を目にしたのは生まれて初めてかも!写真でお見せしたいところですが、個人情報満載なので、『めめめめめ』に埋め尽くされたお社の中をご想像ください。イザナギの命がここで目を洗ったといういわれもあり、その名のごとく目に関する神社のようです。『めめめ』のパワーに圧倒されて、お参りをすませると、早々に外に出ました。境内には『熊本名水百選』の湧き水もありましたが、見た感じちょっとのこのまま飲むのは勇気がいるかな?目を洗うと良いそうですが…。神社に関して詳しく知りたい方は、下記リンク先をご参考に。
そうこうしているうちにお昼も過ぎ、お腹も空いてきましたので、最初の訪問地『山都町』を出て、次なる目的地の『高千穂町』に向かうことに。いよいよ熊本脱出です。ちなみに『山都』は『ヤマト』と読みますが、旧名は『蘇陽町』で、位置的に九州のヘソといわれているそうです。『陽』が『蘇る』という町名は、何だか天の岩戸開きを想像させるようで、地名って面白いなと思います。合併や改名で昔の名前が無くなってしまうのは、もったいない気がしますね。
今回の写真は写真師のスマホギャラリーからお借りしました。
其の⑥は県境を越えて、宮崎県の高千穂町入りです。