元旦の夜から二日の朝にかけて見る初夢。「一富士、二鷹、三茄子」と申しますが…。本当にそんな夢を見る人がいるのでしょうか…。
真言の初夢に関する章もありますが、ここではわが家の初夢についてのお話を。毎年義父から家族の数の和紙で折った舟をいただきます。それを枕の下に敷いて寝るといいゆめが見られるとか?舟には「なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな」とどちらから読んでも同じになる言葉が書かれています。
私、うずめの初夢は…覚えていません。寝つきの良過ぎるのと、夢を忘れるのが特技ですので。ちなみに五年生の息子は、日本の危機を救うべく、親類縁者を含む息子のファミリーが立ち上がる初夢を見たそうです。なんかクレヨンしんちゃんみたいですが…。
初詣のお話はこちらで。
明けましておめでとうございます。
初日の出を拝み、心新たに卯の年を迎える…とはいきませんでしたが、かろうじて玻璃真人の里に昇って間もないお日様を写しました。
理想はこんな元旦の朝なのですが…。
歩きながら真言が言った。
「初日の出って、やっぱりすごいエネルギーが有るんだね」
「ああ、でもそれは元旦の太陽に限らない。毎朝昇る太陽も同じだ。ただ宇宙の中での太陽と地球の位置関係で、この時期エネルギーが強くなっているが…」
長田は肩越しに太陽を振り返って言った。
「それに今朝の太陽は大勢の人々がその存在を意識しているということに意味があるかもしれないな。一年を通して、今日の太陽が一番人々の賞賛を浴びているだろうからね」
「でも、多くの人が意識することで、太陽のエネルギーに変化が生じたりするのかなあ」真言が不思議そうに言った。
「どうだろうな。ただ、太陽もある一つのs意識体だとしたら、多くの人々の意識を受け取ることで、より多くのエネルギーを送り返してくれている可能性も有るだろうな」
~中略~
「そう言えば毎日毎日お日様が頭の上に有るのは当たり前っていいう感じで、あまり意識してなかったなあ…。本当はもっと感謝しなきゃいけないんだよね」
舞香が言った。
「そうだよなあ」
真言も相槌を打った。
「当たり前の中にこそ色々大切なことが有るものなんだよ」
長田が諭した。
おせちの話題は、「うずめのハリマビト日記」
http://uzume.mie1.net/e279936.html
トピックスのコーナーに、「ハリマビトノウタ」載せました。
雪の大晦日。一年分の心と身体も雪下ろしという感じです…。
今年も今日を残すのみ。一年分の重みで朝寝を決め込み、何にもしてなくても年は往き、そして来るのだと。で、結局はちょこちょこっと大掃除の真似事をするのですが…。
真言たちの大晦日はこんな感じです。
「さあ、温かいうちにいただこうか。では、今年一年の無事に感謝して…」
「いただきます」
五人は手を合わせた。
「これこれ、松福庵のお蕎麦を食べないと、年越しって感じがしないのよね」
舞香が言った。
「そうですねえ、こうやって何事も無く一年が過ぎて、大晦日にマツノさんの美味しいお蕎麦をいただけるなんて本当にありがたいですね」
松子がしみじみと言った。
葉子も蕎麦の味に大満足の様子だった。
五人は今年最後の食事を終えると、松福庵を後にした。
帰りの車のラジオからは紅白歌合戦の放送が小さく流れていた、皆言葉少なだった。誰もが自分のこの一年を振り返っているかの様に、窓の外の闇を見ていた。
屋敷に着き車を降りると、長田が空を見上げて言った。
「きれいな星空だ。明日は美しい初日の出が拝めるかもしれないな」
真言も空を仰いだ。凛と冷えた冬の夜空に宝石の様な星が輝いていた。
今年の我が家の年越し蕎麦は、ヒビコレ女将の芳子ちゃんのご主人の手打ちです。ちょうどさっき届きました。感謝!!
玻璃真人の里で、29日に年末恒例大餅つき大会をしました。
29日にはお餅つきをしないという所が多いのですが、「福をつく」と語呂遊びで餅つきを行っています。本の中にも餅つきのシーンが出てきます。
再び四臼目をつく真言の姿を真二はじっと見つめていたが、
「私もひとつつかせてもらおうか」
と、真言から杵を受け取った。
若い頃に田舎の親戚の家で手伝ったことがあるらしく、なかなかいい手つきだったが、十数回振り下ろすと
「だsめだな、もう身体がついていかんよ」と、笑いながら遼一に杵をバトンタッチした。
真二が真言に言った。
「マコトは覚えていないか。子供の頃、正月に家族旅行で行ったホテルで餅つきをやっていて、お前も餅をついたんだぞ」
「え、そんなことあったっけ」
「ああ、幼稚園か…、いや小学校に入ってからだったかなあ。どうしてもつきたいって、父さんと一緒に何回か杵を振ったんだ」
「へえ、そうなんだ」
真言は父の顔を見た。父の瞳は懐かしそうに遠くを見ていた。その横顔を見た時、真言の中に熱いものがこみ上げてきた。
「オイ、マコト。お前の番だぞ」
遼一の声がした。真言はその思いを押し込める様に、杵を振り下ろし続けた。
河瀬 直美監督の最新作映画「玄牝(げんぴん)」を観ました。
上映会場は伊勢の進富座です。吉村医院の自然分娩を撮ったドキュメンタリーです。
たくさんの人が観てくれればいいなと思う映画でした。
www.genpin.net
行きがけに外宮の摂社にお参りに。お社の傍らに立つ大きなムロのある樹が、子宮のように思えました。
朝起きて玄関の扉を開けると、薄暗い庭が雪化粧。
玻璃真人の里…今朝の美里町は白く雪に染まっていました。この冬初めてのちょっと本格的な雪。近くの峠は、凍りついて長い車の列ができていたそうです。
~玻璃真人新記 真言の…<下>より
もうすぐクリスマスを迎えようという終業式の朝、繭良村は白銀の世界に覆われていた。この冬初めての雪だった。
「マコト~、マコト!」
騒々しい舞香の声と階段を駆け上がる音で、真言は目を覚ました。
「おはよう、マコト。時間だよ!」
襖を開けて舞香が声を掛けた。
「あ、ありがとう。おはよう。やけに朝から張り切ってるな、マイカ…」
真言が眠そうな目をこすりながら言うと、舞香は窓の前に立って真言を呼んだ。
「ほら、おいでよ。マコト」
床から出て、舞香の横に立った。まだほの暗さの残る窓の外には真っ白な世界が広がっていた。
「え、何?雪…すごいなあ」
舞香が窓を開けると、冷たい空気が流れ込んできた。
「ひえっ、寒~っ!」
「フフフ。目が覚めたでしょ」
肌を刺すような冷たさに、真言は背筋を伸ばした。
「ほら、急がなきゃ。今朝はオサが送ってくれるって」
窓を閉めながら舞香が言った。
真言は急いで朝食をとり、仕度を済ませると、長田の車に乗り込んだ。途中遼一を乗せて車は駅に向かった。見慣れた繭良村の風景はすっかり様変わりしていた。降り続く雪をリズミカルに散らす、ワイパーの音が静かに響いていた。
今日一日遅れのクリスマスカードが届きました。送ってくださったのは奈良で素敵なご縁をいただいた方です。
春に奈良の古墳を訪れた時に、そこで出会った小学生の少女に玻璃真人の本を贈らせていただいたことがありました。
その後その祖母の方からご丁寧なお手紙をいただき、そして今日、本を読んでいただいたお母さんから、手作りのクリスマスカードを添えたお手紙をいただきました。
数ヶ月を経て、忘れたころにふと届くお便り。玻璃真人の本が取り持ってくれたとても嬉しいご縁です。蒔いた種は、いつかはわからないけれど何かに育つものなのだと思いました。それはいいことも、悪いことも同じかも。思いそして行いは、決してその場限りのものではないのだと心を新たにしました。
イブの昼間に、四日市市博物館に『はやぶさ』の帰還カプセルを見に行ってきました。
宇宙の砂を持って地球に還ってきた探査機がある…。はやぶさについては、それくらいの感覚しかありませんでした。つい先日知人のライブではやぶさのDVDを鑑賞し、話を聞く縁をいただきました。それをきっかけに、私の中で私のクローズアップされたはやぶさの帰還カプセルの公開展示が行われているということで、息子を伴って出かけました。宇宙を旅してきたその現物を目の前にした時には、一瞬鳥肌ものでした。
夜、月と星を眺めながら、「はやぶさの旅は孤独だったかもしれないけれど、月や星々そして目に見える形ではないかもしれない何かたちに、ずっと見守られていた旅だったのかもしれないな」などと思いました。単に小惑星を調査する、それ以上の何かを持って還って来たのかもなどと…。
四日市市博物館での公開は、明日26日までです。お時間あればぜひ。
読者の推薦の声でも素敵な文章をくださった北岡さんが、ブログで本を紹介してくださいました。
本が出たときから、『玻璃真人…』を映画・ドラマ化したいねと、二人でもりあがっておりましたが、ブログにある主題歌は福山君に…というくだりは、私が本を書いている時から夢だったことで、そのことを書いてくださったようです。なんとも…な夢ですが、この夢は玻璃真人を世界に広げたいという励みになっています。(あ、ファンなのがバレちゃいましたね…)
本を読まれた方は、真言は誰に、長田は誰々、おマツさんは…と、お好きな俳優さんをあてはめてオリジナルな玻璃真人ワールドをお楽しみください(笑い)
北岡さんのブログはこれです。
冬至明けの今朝。朝焼けが美しく空を染めていました。
寒さはこれからが本番なのに、お日様が顔を見せる時間は少しずつ長くなっていく。この微妙なズレはもしかして宇宙の心遣いなのでしょうか。
そんなことを考えながら東の空に手を合わせるのでした。