其の⑧…焼肉定食@サイパンリゾートホテル
午前中の観光を終えたバスは昼食をとるホテルへと向かう。免税店前で大部分の観光客が降りてバスに残ったのは小学生の男の子たちの四人の家族と私の五人。半日ツアーの参加者が多かったようだ。そしてバスはすぐ近くのハファダイビーチホテルへ…って、『ここって私が宿泊しているホテルじゃん!』状態。お楽しみのリゾートホテルでの昼食というのが、中心街に何軒かるホテルの中からよりにもよって宿泊している所じゃなくてもいいではないかとプチがっかかりその一。
そして運ばれてきたのが思いっ切り日本食。まだ味噌汁恋しくないんですけど…。いわゆる焼肉定食。牛肉の甘辛炒め、サラダ、冷奴、ご飯に味噌汁、たくわん、冷やしうどんそしてデザート…日本に居る時でもこんなガチな定食は食べないのに(笑)とはいうものの他に選択肢はなく、せっかくの料理なので普段あまり食べない肉もしっかり完食。こんなにガッツリと肉を食べたのは何年ぶり~という感じ。
味の方はと言えば、実はそこそこおいしゅうございました。日本統治時代があったため味噌汁など和食文化も定着しているらしい。ここまできたらお茶でしょ!と思うのだが、ロンググラスで出てくるのはほろ甘いアイスティー。渋いお茶欲しいなあ…。それにもうちょっとサイパン色のあるメニューが良かったなということでプチがっかりその二。
けれどテーブルの前に広がる青い空と海は美しくて、リゾートランチの気分は満喫。午後のツアー開始まで自室でゆったりとくつろぐこともできたし。良しといたしましょう。
其の⑦…鳥の見えないバードアイランド
次の『バードアイランド』もバスで10分足らずの北部の海岸沿い。こちらは海岸から50m沖に浮かぶ石灰岩の無人島。鳥たちの棲家でチャモロ語では鳥が眠る島『イレスタ・マイゴ・ファハン』と呼ばれている。が、『バードアイランドですが鳥は見られません』とガイドさん。鳥たちは眠りに帰るだけで、日中はどこかに飛んで行ってしまっているらしい。日の出や日没時には鳥たちが乱舞するらしいのだが、トンビ一匹見かけなかった。鳥たちのベッドタウンと言ったところ。
鳥が見えずに残念とはいうものの弧を描く入り江に浮かぶ島の姿は美しく、日本統治時には月見の名所として親しまれて『月見島』と呼ばれていたとか。移民の方々が祖国の海に想いを馳せながら美しい月を見上げ宴を開く、そんなのどかな暮らしが営まれていた時もあったのだ。
そして午前中最後のポイント『シュガーパーキング』へ。うずめが宿泊しているホテルもある島の中心街に近い所。ここは翌日のオプショナルツアーでも訪れたのだが、その時の方がガイドさんの説明がとても熱かったのでそちらで紹介することに。ここでガイドさんの姿をスマホでパチリ。フィリピンから来ているテレサさん。サイパンで働くには日本語を覚えなくてはというので頑張ってマスターしたそうだがとても流暢。ホテルでもお店でもフィリピンの女性が多いのですが、みなさん明るくて働き者という印象だった。さてさていよいよランチタイム。
其の⑥…観光スポットにフリーダムドッグ
バンザイクリフからバスで2~3分で次のスポット『ラストコマンド』へ。文字通り最後の部隊が設けられていた場所で、島内から集められた大砲などが展示されている。少し前にそれらをペンキで塗ったらしく、「こんな風にきれいにしてしまったら、価値がなくなりますよね」とガイドのテレサさん。70年の歳月がのっぺりとした灰色のペンキで覆い隠されてしまっているのは確かに味気ない。どこの国でも現場の感覚と管理者との感覚にはズレがあるようだ。
部隊跡の傍らには墓碑が設けられており、ツアー客はそれぞれの想いを込めて手を合わせていた。とはいうものの公園の入り口にはココナッツジュース売りや土産物売りも出ておりちょっと観光地っぽい。その周りを一匹の犬がウロウロとしている。いわゆる野良犬なのだが、なんだかスタイリッシュ。空港からの車の中で見た夜中に歩いていた犬も同じような感じだった。滞在中何度か目にしたが、人間と共存しているらしいその姿は野良犬というよりはフリーダムドッグと呼ぶ方がぴったりかも。
土産物の屋台に『ボージョボー人形』発見!先住民チャモロ族に伝わるココナッツの実でできた願掛け人形で、愛と富と力を授けると言われているとか。女子友へのお土産にいいな~と思っていたが、パンフレットで20ドルというのを見て思い悩んでいた。そのボジョボー人形がここでは何と5ドル…と書くとお土産の値段がばれてしまうのだが(笑)。おまけにガイドさんの説明によると、もともとここのお土産屋さんが作って売り始めたとのこと。『元祖!街中のショップの四分の一の価格』ときたらこれは買うのは今でしょ!ここでしょ!ということで、店主もガイドさんも笑ううずめの大人買い。ココナッツジュースも気になったけど、飲み切る自信もなかったので見送り。これが一人旅の残念なところ。フリーダムドッグに別れを告げてバスは次のスポット『バードアイランド』へと走り出す。
其の⑤…ここで70年前にあったこと。
北マリアナ政府が定めた正式名称は現地チャモロ語のプンタンサバネタだが、世界ではバンザイクリフの名称で通っている。帽子などあっという間に飛ばされそうな強い風の中で海を見下ろしガイドのテレサさんの説明を聞く。
1994年の米軍の上陸で北方に逃れてきた日本兵や民間人の約一万人が80メートルの断崖を海をめがけて飛び込み、その時に『天皇陛下万歳』と叫んだためにバンザイクリフとよばれるようになったそうだ。
通説によると日本人たちは降伏をいやがり自決をしたとあるが、帰国後調べてみると米軍の惨殺から逃れるために海に飛び込むしかなかったという手記なども残されている。どんな歴史にも表があり裏があり、事実は70年という歳月の中に埋もれてしまっている。
石碑が並ぶ平和公園の美しさと過去の悲劇を結びつけるには想像力を必要とする。これまでサイパンなど南の島で多くの日本兵が亡くなったことは知っていたが、民間人の多くも命を落としていたことは今回の旅で知った。そんな知らなかったことをこれからいくつも知ることになる。波打ち付ける紺碧の海のその先には故郷日本があり…合掌。
こうして『サイパン1日観光&ショッピングツアー』という何とも軽いタイトルのバスツアーはしょっぱなからヘビーなストレートで始まったのだ。其の④…ぐるりサイパンバスの旅スタート
12月24日クリスマスイブのサイパンは好天に恵まれ観光日和。送迎のバスに乗り込み『サイパン一日観光&ショッピングツアー』に出発。バスの乗客は親子連れなど十数人で全員日本人。ガイドさんはもちろん日本語ペラペラのテレサさん。
ちなみにサイパン島は南北に22㎞、東西は広い所で9㎞で小豆島と同じくらいの大きさ。ウィキペディアによると日本から最も近い英語圏らしい。ツアーマップのコースはほぼ島一周を網羅している。想像していたよりずいぶん小さな島のようだ。
昨夜は真っ暗サイパンだったので、走るバスから初めて見る街は、空気感、光、道路沿いの木々や建物などがなんとなく沖縄に似ている印象を受けた。スクールバスの停留所や潰れたホテルやスーパーなどをテレサさんがユーモラスに紹介してくれる。日本企業が作って潰れたり、韓国企業などに経営が代わっているホテルが多いらしい。日本バブルのはじけた泡がここにも一つ二つ。
テレサさんのガイドに合わせて右に左に顔を忙しく動かしているうちにバスは最北端の『バンザイクリフ』に到着。絵の具の群青色を思い出すような深い海の色。サイパン一のボートダイビングスポットでもあるここが本日の一つ目の観光地。『バンザイ』は日本語の『万歳』そして『クリフ』は英語の『崖や絶壁』のこと。この地名には深い意味があるのです。
其の③…真夜中のフライト。サイパン真っ暗やん!!
定刻の21時50分に飛行機は無事離陸。アシアナ航空の機内で過ごすこと約三時間半、日本より時差が一時間早いサイパン時刻午前2時20分空港に到着。人の波に続いて入国審査、税関を経てゲートの外へ。
ホテルへ送ってくれる現地のガイドさんは…と辺りを見回すと「マツバラさん~?」と不思議なイントネーションで名前を呼ばれる。「ホテルに送りますね~」と日本語で声をかけてくれたのは南の人らしい女性。バスに乗り込むのかと思いきや、一台の白いバンに案内され、同乗者があるかと思いきや「さー、行きましょうね~」とガイドさん。私とスーツケースだけが乗った車は空港をあとに走り出しました。
異国の地、一人ぼっちの車内。辺りは真っ暗。ちょっとドキドキでしたが、流暢な日本語を話すフィリピン出身の60歳前後の女性ガイドさんと話をしているうちに街の灯りが見えてきてハファダイビーチホテルに到着。このガイドさんは歌手で日本の温泉ホテルなどで歌っていたことがあるそう。
フロントで鍵を受け取り部屋にたどり着いたのは3時半過ぎ。サイパン一日目の印象はとにかく真っ暗。朝一番のオプショナルツアーを申し込んであるので、お風呂に入ってベッドに。三時間足らずの眠りのあと目を覚ました窓の外には、なんとも明るいサイパンの景色が広がっていました。
其の②…サイパンより遠いぞ!関空
旅行費削減で夜中着夜中出発のツアーを選んだので、飛行機の出発は午後9時50分。旅行初日の23日は昼過ぎまで仕事やら家事を。近所のカフェでケーキを食べたりとのんびりモード。とは言うものの十数年ぶりの関空、余裕をみて予定より一時間早い特急に乗るために美里を出発。
ところがツメが甘かった。三連休のこの日、大阪方面の特急券は売り切れ!とりあえず乗り込み車掌さんが空いている席に座らせてくれました。最後部の一人掛け席に座れたので、スーツケースを持つ身としては助かりました。禍転じて福となる~ラッキーな旅の幕開けということにしておこう(笑)
天王寺で関空行きの電車に乗り換え、ほっと一安心…と思ったら、途中の駅で車両を切り離します~という車内アナウンス。周りを見渡すとスーツケースを持った人の姿はなく、みな軽装で日常モード。車両番号を確認するとどうやら切り離されて和歌山へ行く車両らしい。四両ほど前まで移動しなければならないとはいうものの、混み合う車内をスーツケースを曳いて突き進む勇気もなく、一駅停車するごとにホームに降りては一車両ずつ前へ前へとジリジリと迫る作戦を決行。なんとか辿り着いた車両には、大きなスーツケースを携えた日本人に外国人。あきらかに車両の作りも違っておりました。ここが私の居るべき場所だったのです。
そんなこんなで関空に到着。日本サイパンが3時間半くらいなのに家を出てから4時間近くたっている…。搭乗までの四時間ほどを夕飯を食べたり、ターミナルのショップを端から端まで何度もグルグル回ったり…なかなか日本を脱出できない旅行一日目でした。
其の①…始まりは手相の丸ちゃんから…。
2013年の暮れにサイパン三泊四日の旅に出かけました。12月23日から26日のクリスマスシーズンを一人異国の地で過ごすことになったそのことの始まりは手相鑑定。
10月のある日『真言の…』の本をいつも応援してくれている友人三人に連れられて、名古屋市の手相鑑定師、丸井章夫さんの元を訪れました。「新美 宇受女の作品を世に広めたいのですがどうすればいいでしょうか?」との皆の質問に、どれが手相なのかシワなのかもはや判定不能と思われる手を見ながら、いろいろとアドバイスをしていただきました。
その中に「12月8日から1月4日までの間に南東の方角に旅行するといいですよ。サイパン、グアム、ニュージーランドとか、国内だったら八丈島とか…スイッチ入りますよ」とのアドバイスも。それは生まれ年による方位占いから出たらしいのですが、その場に同い年もいたので、干支仲間で吉方ツアーもいいね~と盛り上がったのでした。
とは言うものの、年末の忙しい時に付き合ってくれる人はなく、結局お一人さまの旅に。
ニュージーランドはちと遠い、八丈島もピントこない、サイパン、グアムなら日程も予算もなんとかなるか~ということで、ネットでサイパンのフリーツアーを探して予約。十数年ぶりにパスポートも取り直しました。
占いから旅行?と思われるかもしれませんが、日頃それほど占いにはまっているわけではありません。雑誌や新聞の占いをチラッと見るくらい。手相をじっくり鑑定してもらったのも初めての体験。ではなぜ今回サイパン行きを決心したのか?私は占いとは自分の中にあるものを引き出してもらうものだと思っているからです。アドバイスの中で自分の感覚にストンと落ちるものを受け止め、それに伴うことの結果も自分で責任を負うという捉え方をしています。
いったい何が待っているのか~?初めての海外一人旅~というドキドキワクワクの旅。よろしければ、うずめの珍道中にどうぞお付き合いください
新年明けましておめでとうございます。
旧年中はHPブログを読んでいただきありがとうございました。
本年もよろしくお願いします。
写真は今年のヒビコレの玄関の注連飾りです。例年は伊勢まで『蘇民将来』あるいは『笑門』の木札のついた注連縄を買い求めに行くのですが、昨年末は年末年始を東京で迎えることになり時間的に余裕が無かったので、地元美里で作られたものを飾りました。
お札が付いていないから自分で作ろう…ということで出来上がったのがこの注連縄。『笑門』に『地球円満』を付け加えたうずめオリジナルです(笑)一応裏には『急々如律令』の文字と五芒星なども書きました。ご利益のほどは『?』ですが、地球円満の願いを込めて今年一年玄関を護ってもらう予定です。ヒビコレにお越しの時はちょっと見上げてくださいね。
今年は昨年のクリスマスの頃に行った『うずめおひとりさま旅@サイパン2013』の記事もシリーズアップの予定です。お楽しみに~♡
昨日アップした『捨てる勇気 残す覚悟』の番外編とでもいいましょうか。今朝、抹茶碗をしまおうと布巾で拭いていたら、手が滑って流しにポ~ンそしてガチャン!見事に割れました。
モノとの係わり方の中でこちらが捨てるとか残すとか選択をするまでもなく、モノの方から消えてしまうものもあります。特に破損しやすい陶器やガラス類は、こちらのお気に入り度や利便度に係わらずあちらから去ってしまうことも多々…。
雑でそそっかしい私はそのわりには意外と食器を割る頻度は少ない…と思うのですが(他の人のことが分からないので自分で思っているだけかもしれません(笑)、『あ、そいういうこと?』と納得できるシーンで割ってしまっているように感じます。
今朝の抹茶碗も器を拭きながらなんとな~くネガティブなこと考えていて、抹茶碗を拭き始めた時はネガティブがグッと濃くなった瞬間。手から落ちるのを見ながら「あ、今日は感情が嫌な方に傾いてっている…」というのが頭をよぎりました。で、割れた欠片を集めながら感情の軌道修正。振り返れば怒りの感情に振り回されている時にガッシャーンがよくあり、ああメッセージなんだなと受け止めています。自分の心や誰かの心を怒りや落ち込みなどの感情で傷つけていることに気付きなさいというメッセージ。お気に入りのモノたちに長くそばにいてもらうためにも、心穏やかに生きたいものだと思う今日でした。