其の15 福岡県はENEOSがお好き?
行き先は山鹿温泉。昨日泊まった壱岐市は長崎県である。福岡県を経由して熊本県山鹿市へと車を走らせる。なぜ山鹿温泉なのか。一言でいうと弾みである。物事には綿密に計画を立てて遂行されるものと弾みで生まれるものがあると勝手に思っているのだが、山鹿温泉が浮上したのは後者だ。九州行きが決まった頃、お向かいに住む若い役者さんと縁側コーヒーを楽しんでいた。話題が九州の旅のことになった時に「九州のさくら湯が良かったなぁ」と呟きスマホで写真を見せてくれた。レトロな温泉の建物に私はもちろん銭湯をくまなく愛するパートナーの目が輝いた。さくら湯は山鹿温泉にあるらしいと分かり、三日目は他の選択肢もなくここに決定した。とは言うものの『さくら湯』は共同浴場で宿泊施設ではない。近くの手頃な宿を探し『朝日屋旅館』を予約した。
博多駅に立ち寄り、翌日の新幹線の切符を受け取る。日時の変更はできないが、結構お得な切符らしい。旅の出発までに受け取りに行くタイミングがなかったので、博多駅行きはこの日のミッションの一つであった。
時間に余裕があるから山鹿市まで高速を使わずに行くことにした。高速は早いが町の景色を楽しむには下道の方が良い。途中ガソリンスタンドで給油。ENEOSカードを利用しているのでENEOSがあって良かったと話をしていたのだが、その後も次から次へとENEOSのガソリンスタンドを目にすることになった。それも信号と信号の間に一軒あると言っても過言ではない密度で建っている。時たま他のガソリンスタンドもあるが、八割方はENEOSだったと思う。記録を取っていたわけではないので感覚でしかないが。そしてもちろんその道は『ENEOSロード』と命名した。それにしてもガソリンスタンド自体が多い道であった。その謎は未だ解けていない(笑)
しばらく下道を走っていたが、どうもこのまま下道ではチェックインに間に合わないかもしれないと気づき、途中から高速を利用した。ギリギリ到着しそうだったが、昨日の旅館からの電話のこともあるので少し遅れる旨を旅館に伝えた。