其の13 『キャッチコピーは世界遺産』の日本遺産
時間があるとはいえもう正午を過ぎているので、戻りのことを考えるとあまり足は延ばせない。それで芦辺町のポイントを二か所巡ることにした。一つ目は内海湾にある『小島神社』である。内海湾と書いて『うちめわん』と読む。古代船が往来した海の玄関口だったそうで、江戸時代末期の図誌にも多くの船が往来している様子が記録されているらしい。その内海湾内にある神が宿る島として崇められている『小島』が次のポイントである。
この小島に渡ることができるのは、潮が引いている時だけなのだ。潮が満ちてくると島に続く浜は海になってしまう。『壱岐のモンサンミッシェル』と観光案内にあるのだが、モンサンミッシェルが何か知らかなかったので調べてみた。気にはなっていたが旅行中それを調べることもなく、今旅行記を書くために調べてみた。ウィキペディアによるとフランス西海岸のサン・マロ湾上に浮かぶ小島で、その上に修道院がある世界遺産だそうだ。規模はずいぶんと異なる様にも思うが、キャッチコピーとしてはなかなか良いと思う。
訪れた時間は運良く引き潮で浜に降りて鳥居まで歩く。道からは鳥居しか見えないのだが、島の石段を上ると小さなお社に辿り着く。壱岐島でお参りする最後の神社にご挨拶して浜に戻った。
そして壱岐島の旅を締めくくるスポットに向かう。同じく内海湾にある『はらほげ地蔵』地蔵のおなかに丸い穴があいているのでそう呼ばれているらしい。こちらも満潮時になると陸上からしか拝むことができないというスタイルだ。この『はらほげ』という名が何度読んでも覚えられないので、これを書いている時も案内板の写真を見て書いた。案内板をよくよく見ると『日本遺産』の文字。そう言えば先ほどの案内板にも同じ文字があった。調べてみたところ壱岐の歴史と文化が日本遺産なのだそうだ。旅が終わってから気づいている自分に呆れる次第である。