
其の9 すごいものほど遠慮がちだったりする
壱岐島の一番の目的地である『月讀神社』もそこから車で数分のところにあった。いよいよこの間のセッションで出てきた二つのキーワード『壱岐』と『月讀』が統合される瞬間である。487年に壱岐の県主がこの神社の分霊を京都に祀ったことから、日本の中央に神道が根付いたと言われているらしい。つまりこの『月讀神社』が日本神道発祥の地ということになるそうだ。観光ガイドにさらっとそう書かれているが、もしそれが事実であれば日本神道がここからスタートしたすごい神社なのだ。
広々としたアスファルトの駐車場に車を停めて石の鳥居の前に立つ。鳥居の先に続く石段にパートナーは参拝を断念し、再び車中の人となった。私はもちろん本日のメインスポットを目指しワクワクしながら石段を登り切った。そこにあったのは小さなお社だった。我が家の氏神さんよりもうんと小さなお社。そしてその隣の小さな社務所には宮司さんと思われる男性が座っていた。日本神道発祥の神社にしてはとても遠慮がちな大きさだが、そのギャップが反対に面白かったりする。本殿にお参りした後にその先にある赤い鳥居に向かった。そこには『月夜見命』『月弓命』と名札を立てた二つの祠が祀られていた。つまりこの小山に三つの『ツキヨミ』が祀られているのだ。三位一体という単語がなぜか頭に浮かんだ。こちらをお参りしてからお守りを買って階段を下った。とりあえずこれでこの旅のミッション終了である。どういうミッションかというと自分でも分からない。あくまでも感覚と思い込みの世界である(笑)