今を生きる魂への物語
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シンクロ「奇跡のリンゴ」とcafe cocoroさん
2011年6月10日 (金)

「シンクロ」という言葉を耳にすることがあります。あらためて考えると日本語に置き換えられなかったので、調べてみました。ウイキペディアによると「シンクロニシティ」とは「意味のある偶然の一致」のことで、日本語訳では「共時性」とも言う…。とありました。「意味のある」の部分が単なる偶然やたまたまと違う部分なんですね~。

先日cafe cocoro(カフェ・ココロ)さんで、シンクロ体験をいたしました。
仕事がちょっと落ち着き、ほぼ一ヶ月ぶりにお昼をcocoroさんでと出かけたところ、2階は満席でキッチン横のカウンターに席を設けてもらいました。たまたまその①がこのカウンター席。
この日はゆっくり本を読みながらと思い、家から読みかけの本を持ってきていましたが、カウンターの数冊の本の中に気になるタイトルが一冊。「奇跡のリンゴ」。たまたまその②がこの本。
パラッと最初のページをめくってみたら、この本は今、まさに探していた情報が詰まっているではないですか。「真言の…」第二部の農業の部分を書いているのですが、具体的な資料となるものが欲しいと考えていたところだったのです。むさぼり読んでたら、cocoroのママがその姿を見て、貸してあげますよと言ってくれました。

店に入ってしばらくしたら、一組のお客さんが帰られたので、もう少し遅く来ていたらカウンターには座らなかったかも。
私的にはとってもシンクロな出来事でした。本はとても参考になったし、感動いたしました。本のお話はまた次の機会に…。

写真は奇跡のクローバー?放置したプランターがジャンボクローバーで埋め尽くされておりました。


2011-06-11 Sat 13:55:19 / Name : まだ生きてます。ひろゆき+
シンクロ……シンクロニシティ。
この言葉を聞くとき、反射的に浮かぶ言葉があります。

いかなる理由があっても「オオサンショウウオ」に手を出してはいけません。

いまから15年前、家族はまだ3人でした。
その年の秋、妻と長女が、久居農林高校の文化祭の会場から、1匹の子猫を連れて帰ったのです。
最後まで引き取り手がなかったという、きわめてランダムな毛並みの三毛でありました。
家族は、生後2か月のその猫にリリコと名付け、8か月間飼ってやりました。
リリコは賢い猫で、共同生活は楽しいものでしたが、あくる年の6月、どこからか拾ってきた毒を腹に入れたまま、あっけなく死んでしまったのです。
家族は悲嘆に暮れました。わけてもいっしょにいる時間の長かった妻には、きつかったようでした。
卑怯でも誤魔化しでもいいから、とにかくこのつらさから逃れたい。
酒や遊興を知らぬ家族は、どこか遠いところでぼんやりと過ごしたいと思うばかりでした。
3日後の日曜日、気の抜けたような候補地選びの中から、赤目四十八滝の名が浮かびました。「赤」とか「八」という字面の心地よさにすがったのかもしれません。
じめじめした家族と天候でしたが、せっかく行くなら、赤目を1日楽しもうと決意したのでした。

赤目はよかった。行楽地特有の、あの傷心を無視した明るさがわずらわしくもありましたが、ため息のつける椅子やテーブルもちゃんと用意されていました。
この場所で、自分たちのかくまってきた悲しみを溶かしたいという気持ちと、逆に何も毀たずに持ち帰りたいという想いが拮抗していました。夕方この駐車場から車を出すとき、心はどんな状態でいるのだろうかと、あれこれ想像したりもしました。
でも想像はすべて外れました。
岩だけでできている歩道の最奥から引き返して、半分ほどきたころ、自分は気づきました。先ほどから前をゆく若いカップルが何かを抱えているのです。うしろ姿の女性の右ひじの下から、灰色に滑る尾のようなものがちらちらのぞいています。
その瞬間、腐った脳裏に走る灰色の光がありました。
このひとたちは、オオサンショウウオを持ち帰ろうとしている。特別天然記念物であるこいつに手を出すのは、絶対絶対許されないことなのに。
そう気づいたとき、前をゆくカップルの歩行が速まりました。
人目から逃れたい。後ろめたい。そう感じたに違いない。最近の若いやつらはこういう身勝手をなんとも思っていないのだ。若いやつら。おのれい。みんなの赤目を穢した者ども。俺の赤目を。リリコの思い出を。若いやつらめ。俺もうすぐ39。
思考も行動もずたずたでした。許さない許さない許さない。しかし何もできない。後ろから声を掛けるでもなく肩を押さえつけるでもなく、見失わないようについていくだけでした。
ときどき小走りにもなる自分のあとを、妻は長女はついてくる。彼女らにもオオサンショウウオは見えているのか。家族はひとつ、気持ちもひとつだ。
一向の足は、隘路から水の引いた岩礁のような平らな場所に出ました。多くの人がめいめい写真を撮ったり、へっ。水に触れて、冷たあい、などとほたえている。例の二人組の悪党とは五メートルと離れていない。
きゃつらに物申すなら今をおいて他になし。自分は敢然と歩を進めました。家族の視線を背に受けてカップルの真後ろに立ちました。
──あのねえ。やっぱりいけないことだと思うんだよね。ていうか、それ犯罪だし。ここにいるみんなが持ち帰ったとしたら絶滅しちゃうわけでしょ。天然記念物とかは別として。
いろんな言葉をちりばめた。そして、やっぱり関東の物言いの方がインパクトがあるのかな、なんて思考を追加してみたり。
それらがまとまってきていよいよ口から出ようかという段になって、女が腰をかがめて、その生き物を足もとの岩の上にそっと置くのを見たのです。
立ち上がった女性の両足の間に見えたのは、まともなオオサンショウウオじゃないというのか、まるで灰色の猫のようなオオサンショウウオでした。
その異様な光景にくらくらした自分は、そのあとのことはよく覚えていません。
「どうしたんですかこの猫ちゃん」「おかあさん、猫逃げないね」「出る間際になって車の下にいて」「おかあさん、連れて帰れないんだって」「……じゃあ名古屋からここまでいっしょに?」「おかあさん、猫ほしぃい」「ほんと偶然」「あ、そうなんだ」
訳のわからない会話の中で、猫ください。なんていう女の子の声が聞こえた。長女の声に似ていた。決め台詞になったようだ。
それ以来です。
リリコと名付けられたきゃつめは当然のように猫のふりをして、自分の部屋に、へんっという顔して入り込んでは、スピーカーを倒し原稿を舐めまわし、隠してあったイカの姿焼きのありかを暴くのでした、そればかりか。
長女の家庭訪問のときに担任が、「知美さんは下にご兄弟はおありでしたか」と言葉に気遣うくらい、きゃつめの爪で壁紙も床もぼろぼろにされたのです。
いかなる理由があっても「オオサンショウウオ」に手を出してはいけません。
畢竟、シンクロニシティは、ひとによって生成されるのではないかという気がしているのです。
(写真は本文とは無関係です)
2011-06-12 Sun 23:18:26 / Name : うずめ
天然記念物の猫はイリオモテにいるんだと思っていたら、身近な所にもいたんですね~。シンクロは自分自身が起こしているんでしょうね。良きにつれ、悪しきにつれ。
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